2008年8月22日金曜日

マイケル・K

人はどこまで自由でいられるか。

マイケル・K』は、クッツェー氏の一連の作品の底に流れるこのテーマが、より鮮やかに描かれた作品と言える。
「あなたが描くのは、歴史の中の個人の運命ですね」。97年、私がそうたずねると、クッツェー氏は迷うことなく、こう応じた。「そうです。私が描くのは、あくまでも個人の運命です」

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上のことばは2006年8月、拙訳『マイケル・K』が<ちくま文庫>に入ったときに、藤原章生さんが書いてくれたものです。藤原さんは南アフリカ滞在中にこの本の著者、J.M.クッツェー氏にインタビューした唯一の日本人ジャーナリストです。

オリジナル・タイトル:Life and Times of Michael K by J. M. Coetzee