2008年11月30日日曜日

サンアントニオの青い月

ずいぶん前に訳した本ですが、いまでもとても愛着があります。著者のサンドラ・シスネロスはこの本の装幀がとりわけ気に入って、亡くなる直前のお父様に見せることができてよかった! と手紙をくれたのを思い出します。
 
サンアントニオの青い月』は『マンゴー通り、ときどきさよなら』の姉妹篇。といっても、『マンゴー通り』がシスネロス・ワールドへのきらきらしい入口であるとしたら、これはぐんとディープでホットな物語世界です。合州国とラテン・アメリカ、とりわけメキシコとの国境を行き来する人たちを活写する筆致には、目をみはるものがあります。
 いずれも1996年、晶文社刊。

オリジナル・タイトルは、Woman Hollering Creek