ちょっと裏話をしましょうか。
この本のオリジナル・タイトルは「The House on Mango Street」、日本語にすると「マンゴー通りの家」となりますが、当時、版元の編集部の人たちが、それでは「動き」がなさすぎる。もっと、なにか読む人の心を引きつけることばはないものか…と随分と時間をかけて、頭をひねって、つけてくれたタイトルが、この「ときどきさよなら」の部分です。
これは本文中に出てくることばで、主人公が育ったマンゴー通りとそこに住む人たちとの関係が、とてもよくあらわれていると思います。タイトルとしてはやや長めですが、含みのある、印象深いものになりました。
『マンゴー通り、ときどきさよなら』と『サンアントニオの青い月』の表紙はいずれも、さわだとしきさんが描いてくださったものです。どちらもとっても素敵な絵です。